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ウェイキングライフ

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実写にCGでペインティングする、という手法で話題になってましたし、
イーサンホークが好きっていうのもあり、劇場で見に行きました。

まず音楽にやられました。
てっきりいまどきのダンスチューン(ダンスチューンて!)とかなんかなぁ
と思ってたんです。スピード感のある。
タンゴってのがどうゆうのかはあんま分かってないんですけど
この映画の音楽は全て「トスカタンゴオーケストラ」というグループの曲で、
とにかくすごく格好いい!
官能的でノスタルジックででもすごくエッジが効いてる。
「ウェイキングライフ」のアニメ加工による、現実から全く逃避された世界に
この音楽がこれ以上なく合ってました。
映画を見てからすぐサントラを買いに行って、それ以来しばらくは寝る前には必ず
これを聞くようになってました。

で、映画の方ですけど、「トリップムービー」て言われてましたけど
ほんとにその通りやと思います。
画法(というんでしょうか?この場合)もそのシーンによりころころ変わるし、
あ、シーンが変わるというのは、主人公を除くその他の登場人物が
数十名変わるがわる登場し、思い思いのことを語ったり行動したりしていくわけです。
主人公が見てる夢、という設定なので、時間も場所も定まらず
話がとりとめもなく続いていく。。
画像もゆらゆらと微妙にゆれてるし、主人公の夢に見てる側もすぐ引き寄せられて
しまいます。
私も見事に引きずられてしまい、気がついたらエンドローブが流れてました。
寝てしまってたんですね。
決して退屈する、て意味ではないです。単に疲れてただけで。

DVD発売(上映からえらい長かったなぁ)されたのを早速買い、
家でもう一度見たときは最後まで見れました。
映画館で見てる時は「お酒のみながら見たらもっとトリップするかも」と
思いましたけど、家で見てみると、お酒は必要ないと思いました。
ほんまにこの映画だけで十分なトリップ感を味わえる。

この映画のあとは、この「実写ペインティング法」を真似た邦画とか出てきそうやなぁ
と思ってたんですけど、さすがになかったですね。
あまりにも完成度が高かったからかなぁ。

ちなみに、同監督(リチャード・リンクレーター)の「TAPE」っていう映画も
すごくおもしろかったです。
イーサンホーク&ユマサーマンが出てるんですが、
映画は1つの部屋の中で登場人物は3人だけで展開する。
ストーリーというか、会話というか。すごく計算されてる。
見たあとは、「ああ、やられたな」と久しぶりに感じました。
私の「ああ、やられたな」は今まで
「ユージュアルサスペクツ」と「レザボアドッグス」と「ジェイコブスラダー」と
「ゲーム」(これは舌打ち系の「やられた」なんですが)などです。
「シックスセンス」はすごく期待してみたのに、「それジェイコブスラダーで
やってしまってるやん」とめちゃくちゃ残念な思いをしました。
こうやって書くと「どんでん返しオチか?」と思えますが、違います。
この映画は最初から最後まで登場人物の会話でのみ成り立ってますから
それがすごく楽しめる。

ぜひともお勧めしたい映画です。
結局リンクレーターの宣伝みたいになってしまいました。

そういえば、「ウェイキングライフ」も梅田ガーデンシネマに1人で見に行って
その時期が丁度クリスマスシーズンだったため、映画館から出たあと
梅田スカイビル下の広場は、まばゆいばかりのメリーゴーランドと
きらびやかなクリスマスツリー、そして幸せそうなカップルやファミリーで
あふれかえっていました。
1人クリスマスツリーや、幸せそうな人たちをうらやましそうに傍観し
本当に涙が出そうになった、苦い思い出を思い出してしまいました。
by gobuffalo | 2004-05-14 08:56 | 映画